第11回目の旅 2003.9.8(月)-9.10(水) 越美北線、小浜線、草津線など

どんな旅

 越美北線に乗るついでにえちぜん鉄道に乗り、小浜線や草津線などをできるだけ効率よく回ろうとしたらこんなコースができた。

初めて乗った線(普通列車で)

北陸本線の一部(長浜ー芦原温泉間)
越美北線全線(越前花堂ー九頭竜湖)
小浜線全線(敦賀ー東舞鶴)
舞鶴線全線(東舞鶴ー綾部)
山陰本線の一部(綾部ー福知山間 綾部ー京都間)
JR東西線全線(尼崎ー京橋)
片町線全線(京橋ー木津)
関西本線の一部(木津ー柘植間)
草津線全線(柘植ー草津)


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          (地図をクリックすると拡大できます)


1日目 9月8日(月)

 大町発8:03 あとのスケジュールを考えて姫路までは新幹線。新快速に乗り換えて長浜まで行き、駅弁「湖国のおはなし」とビールを手に敦賀行きの車内で昼食。名前がおもしろいから買ったのだったが、鴨ローストが美味しくちょっとリッチな気分になる。

 敦賀駅では、トワイライトエキスプレスが機関車の付け替えをしていた。昨年10月、義兄夫婦と4人でこの列車で北海道旅行をしたが、その時ホームからたまたまビデオに撮った普通列車に今日は自分が乗っている。トワイライトエキスプレスは武生駅であっさりと追い越していった。

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            (トワイライトエクスプレス)

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       (武生駅を通過するトワイライトエクスプレス)


 福井15:04着 夕方越美北線に乗るまでの3時間を充ててえちぜん鉄道に乗ることにしている。この鉄道は元京福電鉄で、2000年とその翌年連続で大事故を起こし、もうだめかと心配したが、2003年三セクで復活した。ほんとうにめでたい。

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              (えちぜん鉄道福井駅)


 こんな時間帯なのに乗客が多い。走り始めるとすぐに車掌のような女性が声をかけてきた。車掌ではなくアテンダントといい、サービスにこれ努めている。東尋坊のことや終点まで行くとタクシーもないから一つ手前で降りるようになどこまごまとアドバイスしてくれる。昨年(2009年)「ローカル線ガールズ」という本を出版。本屋で立ち読みしたが奮闘振りがなかなかおもしろい。

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               (えちぜん鉄道)


 東尋坊を上からのぞいてみる。遊覧船に乗らないとだめなようだ。土産物屋でざわついており、芦原温泉行きのバスから遠望することにして早々に退散。

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               (東尋坊)


 17:20福井に戻る。まだ時間があるので越前花堂まで福井電鉄福武線で行くことにする。ちょっと古めかしく無骨な郊外電車が2両でやってきた。電停のホームが低いのでおもむろにステップが飛び出してくる。道路の真ん中をゴーゴーと走る。なんとも楽しい。

 越美北線用の越前花堂駅は本線用とは別で、畑の中を5,60メートルも歩いていく。一杯だった車内の通勤客がどんどん降りて、日が暮れてきた。今夜は宿を予約していない。向かいの席のOLらしき二人連れに聞くとちょっと困ったような顔で、「大野にはビジネスホテルはないと思う。名物といえば蕎麦かしら」とのこと。心細くなってきた。

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                (越前花堂駅)


 7時過ぎこの列車の終点越前大野着。日はとっぷりと暮れ、駅前広場からはすぐに人影が消えた。大きな看板を見ながら旅館に電話する。5000円也。さて夕食はどこでしたものか。駅の向かいにぽつんと点いた明かりをたよりに一杯飲み屋に入る。客が一人おだを上げている。酔いさえ回らないまま人通りのたえた道を宿に向う。宿では消費税分は取られたが宿帳はなし。風呂に入って寝ることにする。やれやれ。以後宿は必ず事前に確保することにした。
 
 この町は小京都と呼ばれているとか。湧水が豊かというとおり洗面所の水の冷たさが心地よい。再度来ることもないだろうから予備知識があればスケジュールも多少変わっていたかもしれない。          892.2km


2日目 9月9日(火)

5:47 始発の下り列車で終点の九頭竜湖へ向う。乗客は自分ひとりだけ。丹念に小さな駅に停まり型どおりの車内放送が流れる。いつもは空っぽだろう。立ちはだかる黒い山塊に向って深い谷を越えてはトンネルに入る。空が狭くなる。運転士に山の名前など教えてもらう。

 30分ほどで終点に着いた。ログハウスのような立派な駅舎だった。2年前まではこの駅から九頭竜湖沿いにバスが走っていて、ながらがわ鉄道(元越美南線)と結んでいた。最近それを知らないでやってきた旅行者がタクシーで行ったとか。ちょっと羨ましい気もする。

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                (九頭竜湖駅)


 村長選挙のポスターが目に入る。人口800人に満たない和泉村の、大野市との合併を問う選挙で、その後その村は大野郡の名前とともに消滅したという。

 7分後同じ列車で引き返す。目が覚めたら車内は通勤客で満員だった。

 越美南線はこの翌年(2004年)7月、福井豪雨で壊滅的な打撃を受けた。胸の痛むニュースだったが3年後復旧。本当に良かった。
 この線は地味ながらまことに印象深い。

 福井から小浜線に乗るため敦賀へ。待ち時間が2時間あるのでバスで気比の松原へ行ってみる。右手に火力発電所が煙を吐いていてちょっとつや消しだが、左側は問題を起こした原子力発電所や高速増殖炉もんじゅ(1995年ナトリウム漏れ事故)があるはずの敦賀半島が長く伸び、大きな湾に抱かれているのが分かる。江戸時代は北前船が出入りしたことだろう。砂浜でのんびりいいだこを釣っている人がいる。これで三大松原を見ることができた。

 小浜線の車窓はたまに海が見えるがほとんど平野の中を坦々と走るばかりで、よほど印象が薄かったのかノートには若狭富士(青葉山)が美しいとだけしかメモしていない。

 12:32東舞鶴着 列車を待つ間港の方へ歩いてみる。港は自衛艦や北海道へのフェリーも入るぐらいだからかなりにぎやかなのかと期待していたが閑散としている。引き揚げ記念館もかなり遠くて時間不足。列車に乗るのが目的とはいえちょっと中途半端な気持ちに襲われるのはこういうとき。駅へ引き返し立ち食い蕎麦をかき込む。

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       (舞鶴港 右手奥に引き揚げ記念館がある)


 舞鶴線で綾部へ。駅の正面の小高い山の上に大本教の本部がどーんと立っている。大本教がこんなところにあるとは知らなかった。なにやら暗い事件(政府による弾圧)にまきこまれたという程度の知識しかないが、こういう風景が突然現れるとどぎまぎする。
 (司馬遼太郎さんの「街道を行く4」、丹波亀山城についての記述の部分に詳しい。)
 空手の発祥地とのことなので、観光案内所で知人用に冊子を購入。帰ってから本人に聞くと流派が違うとのこと。ちょっとがっかり。

 福知山まで下り線に乗りすぐ引き返す。綾部から真っ直ぐ京都に向ってしまうと、前々回(8月11日)加古川線で来た福知山と綾部との間が抜けてしまうからだ。車窓からついこの間登ったばかりの福知山城が美しい。

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               (福知山城)
  

 京都着17:25 新装成ってから数年になるがゆっくり見たことがないので遅まきながら駅探訪。コンコースの高い吹き抜けを見上げながら、長いエスカレーターで屋上まで上る。谷底に設けられたステージから布袋寅泰のライブが大音響で湧き上がってくる。建築当時の賛否両論、さもありなん。

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         (京都駅 大階段から谷底をのぞむ)


 暮れかけた京都の町並みが眼下に広がり、町並みを覆うように立ち上がった積乱雲に夕日があたって不気味に輝いている。きのこ雲のようで思わずカメラを向ける。つい最近(2009年冬)読売新聞にそっくりの写真(ひょっとしたらまさにそのときの雲?)が投稿されているのを目にして驚いた。その人は美しいと思っただろうか。

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        (夕日に輝く積乱雲 京都駅屋上から)

 

 食事を済ませ電車に乗ろうとすると、落雷があったとかで30分遅延。さっき見た積乱雲のいたずらだったかも知れない。舞子の保養所に着いたら9時を過ぎていた。         
         432.7km


3日目 9月10日(水)

 舞子発6:41 神戸で途中下車。開店したばかりの店でサンドイッチ。尼崎で福知山からJR東西線(1997年開通 地下鉄のよう)、片町線へと直通する列車を待ち、木津で乗り換えて加茂9:03着。ここから関西本線のディーゼルカーに乗る。急にローカル線の雰囲気になる。眼下に木津川の谷が深い。

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               (関西本線)


 柘植で草津線の列車を待つ。駅前の看板に芭蕉の里伊賀上野の案内も見えるが列車優先。その代わり運よく30分遅れの急行「かすが」がやってきた。急行列車はどんどん廃止されていき、この列車も3年後(2006年)廃止。貴重な写真が撮れた。
 芸備線の急行「みよし」もその翌年廃止された。

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           (急行「かすが」 柘植駅)

(伊賀上野は2010年、伊賀鉄道で途中下車し芭蕉の生家を訪ねた。)


 貴生川で乗り換え方々駅見物。信楽高原鉄道が遅れた草津線を待って発車する。近江鉄道は接続が悪いらしく駅員に40分待ちといわれた若い女性が「マジーッ」と素っ頓狂な声を上げる。

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              (信楽高原鉄道)


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                (近江鉄道)


 
 正午前草津着。もう帰るだけ。明石まで辛抱して駅弁「ひつまぶし」を購入。ビール片手に快速などを乗り継いで大町着19:00着。    593.8km

 3日間よく走った。満足。
 



 

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